日本地質学発祥の地 ジオパーク秩父 〜地質と伝統と大地の恵み〜

秩父の地学的特長
 

秩父地域の地質学的特徴

美の山

1. 地形

ジオパーク秩父の地域は、関東平野西方の関東山地の北東部にあたり、奥秩父山地、上武山地、外秩父山地および秩父凹地帯とに区分されます。奥秩父山地は、2,000m級の峰が連なり、地形的に一般的に急峻で、突出し峰と狭い谷を特徴としています。上武山地と外秩父山地は1,000級以下の低山で、なだらかな山の中腹まで耕され集落ができています。
「秩父凹地帯」は、「秩父盆地」を中心としてそこから北西へ伸びる「山中地溝帯」や南東へ伸びる谷から構成され、奥秩父山地と上武・外秩父両山地を分ける谷地形を形作っています。

2. 秩父層群と三波川変成岩

秩父地域は東京に近く、明治時代から日本の近代地質学における数々の先駆的な研究が行われてきました。「秩父古生層」や「三波川結晶片岩」などの命名・研究をはじめ、日本列島の模式となる研究が展開され、以後多くの地質学徒の育成に貢献してきたことから、『日本地質学発祥の地』と呼ばれています。また、現在でも新しい研究が行われ、秩父層群や三波川変成岩など西南日本外帯の「付加体」に関する新知見が得られるなど、『世界に発信する地質学的拠点』という新しいパイオニア的存在でもあります。

pdf 地質図(PDF)    pdf 地表年代表(PDF)

化石

3. 新第三系

秩父盆地には新第三系の彦久保層群、小鹿野町層群、秩父町層群、横瀬町層群が分布しています。約1,700万年前〜1,400万年前の海底に積もったもので、地殻変動にともなう多様な堆積構造や、パレオパラドキシア、チチブクジラ、チチブサワラなど、多彩な化石群集を良好に保存しています。

4. 第四系

秩父盆地の荒川沿いなどには、高位(多摩期)・中位(下末吉期)・低位(武蔵野期〜立川期以降)に大きく3区分される河岸段丘堆積物が見られます。これらの第四紀堆積物は、かつての荒川などが氾濫して堆積した礫層とその上位に重なるローム層などで構成されています。

5. 花崗岩類の貫入と鉱床の形成

甲武信ヶ岳付近の大滝層群中には新第三紀(約1,100万年前)に閃緑岩類が貫入し、周辺の堆積岩類をホルンフェルス化させています。中津川流域では、約500万年前に石英閃緑岩マグマが貫入し、石灰岩等と反応して接触交代鉱床を形成し、さらに熱水鉱床も形成しています。

鉱石

■鉱山資源

古く江戸時代の初期に武田氏により金が探索されたと伝えられる秩父鉱山は、金・銀・銅・鉛・亜鉛・鉄などの金属鉱石を産出し、昭和期には日本有数の鉄鉱山として知られていました。しかし、平成10年代の後半になると、非金属である結晶質石灰岩(大理石)を採掘するのみとなりました。