横瀬町にある親水公園「ウォーターパークシラヤマ」内に新田橋の礫岩露頭はあります。こちらの公園は横瀬川沿いに整備されており、夏になると川遊びを客で賑わう憩いの場所です。横瀬川の右岸にある礫岩露頭は、川を挟んで対岸から観察することができます。
およそ1,500万年前、秩父盆地の東縁では、現在の外秩父山地にあたる場所が隆起しはじめ、海を崖がとりまきました。崖が侵食されると崖の下に崩れた岩が堆積しました。これが新田橋の礫岩です。崖が削られてすぐ堆積した礫岩のため、角が立っていたり、巨大なものがあったりします。
その他の秩父盆地中の地層はすべて東に傾く東傾斜のものですが、ここでは西方向へ傾斜しています。非常に急角度に傾斜しているのは、盆地東側の山々の隆起にるものと考えられます。外秩父山地が形成されると、古秩父湾は閉ざされて消滅することになりました。
また、指定地にはなっていませんが、対岸の新田橋のたもとにも礫岩が見られ、新田橋の礫岩露頭とつながっていることがわかります。
新田橋の礫岩露頭の目の前を流れる横瀬川ですが、その昔は流路も全く異なっていました。寛保2(1742)年、寛保の大洪水として知られる大水の際、横瀬川が大きく蛇行し、川幅の狭い棚久保で流路を塞がれた多量の水が、今市の白山に続くブッテエ山の鞍部を乗り越えて決壊し、山を切り崩して、今日みられる流路に一変させたと伝えられています。