徳川吉宗の時代であった明和2年(1765年)、秩父の天領の代官の出役所として建てられた建物の歴史を有する老舗中の老舗旅館であった「本陣寿旅館」。惜しくも旅館としての歴史は幕を閉じましたが、平成23年に小鹿野町の観光拠点施設として当時の面影を残して生まれ変わりました。小鹿野の古い街並みの中心地に位置し、小鹿野歌舞伎をはじめとして郷土の歴史・文化を知ることができる人気スポットです。
旧寿旅館の当主の日記には、「盛岡高等農林学校生生徒一行25人宿泊す」「9月4日 三田川村三山皆本沢に向かい・・・」の記録があります。大正5年、盛岡高等農林学校の2年生であった宮沢賢治は秩父地質巡検で秩父に訪れ、秩父の各所を巡っています。小鹿野観光交流館には宮沢賢治の展示もあり、賢治に思いを馳せて当時の足跡をたどることができます。