秩父郡小鹿野町と秩父市吉田の境界にあたる尾根には素敵な散策路があります。山茶花やロウバイなど四季折々の花を楽しむことができ、新緑、紅葉の季節も気持ちよく歩ける約3kmの遊歩道です。
散策路沿いにある近年新しくなった「四季の道小鹿野展望台」から見える景色は圧巻で、西にはノコギリ状のチャートの山「両神山」や、小鹿野町飯田から群馬県との境「志賀坂峠」に至る山中白亜系(山中層群)の凹地帯の谷がよく見えます。眼下に広がる小鹿野の町は、赤平川に沿って発展した歴史ある町で、古くから志賀坂峠を通って信州へ至る街道の要衝でした。
東側には、石灰岩の山「武甲山」、秩父盆地の河成段丘で一番古い尾田蒔丘陵(高位段丘)がよく見えるほか、手前には小鹿野町のケスタ地形などもじっくり観察できます。ケスタ地形とは、柔らかい層と硬い層が交互に重なった地層が地殻変動で斜めになって地表に露出し、柔らかい地層の部分が特に風化浸食を受けて凹むことで、波型になった地形のことです。