日本地質学発祥の地 ジオパーク秩父 〜地質と伝統と大地の恵み〜

ジオパーク秩父のみどころ

ジオサイトの紹介

主な秩父地域のジオサイトのご紹介。多様で多彩な地質・地形資源が至る所に点在しています。

 

大滝地区 | 荒川地区 | 秩父地区 | 吉田地区 | 皆野地区 | 長瀞地区 | 小鹿野地区

神庭洞窟

  • TC-11
  • 地形
神庭洞窟
所在地 秩父市 大滝

荒川の浸食によってできた石灰岩洞窟で、天然の住居として古くから利用されてきました。この洞窟は、過去3回の調査によって縄文時代から近世に至るまでの遺物(ヒト、クマ、イノシシ、カモシカ、ウサギ、魚類などの骨を含む)が確認され、長期間にわたって人々が住んでいたことがわかりました。県・史跡(平成6年指定)。

中津峡

  • TC-7
  • 地形
中津峡
所在地 秩父市 中津川

荒川上流の中津川(十文字峠を源流とする)の渓谷で、別名中津川渓谷ともいわれ、有名な紅葉スポットとして知られています。全長10km、断崖の高さ100m。標高約600mの場所に位置しています。秩父層群のチャートなどが、中津川によって浸食され、深いV字状の渓谷をつくっています。県・名勝(昭和18年指定)。

 

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浦山ダム・浦山ダム下の地層

  • TC-20
  • 層位
浦山ダム・浦山ダム下の地層
所在地 秩父市 久那

洪水調節・不特定利水・上水道・発電を目的として、1998(平成10)年に完成した、堤高156.0m、堤頂長372.0m の重力式コンクリートダムです。湛水面積120.0ha、有効貯水容量は56,000,000 m3もあります。
ダム下の駐車場進入路の金網下に露出している地層は、赤色泥岩です。赤色泥岩は、陸地から離れた海の中に、黄砂のような土埃がつもったものです。地層面をよく観察すると、縮緬じわのような模様があり、南北方向に圧縮されて、変形したことが分かります。

柴原鉱泉

  • YC-11
  • 鉱泉
柴原鉱泉
所在地 秩父市 荒川柴原

柴原鉱泉は、秩父盆地の新第三紀層中に湧出したもので、新木の湯、鳩の湯などとともに、秩父七湯のひとつに数えられ、江戸時代初頭から約400年間、湯治として利用されてきたと伝えられ、現在は奥秩父の山間の静かな温泉地として知られています。秩父盆地に多い、「卵水」といわれる弱アルカリ性の単純硫化泉です。

 

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橋立鍾乳洞

  • TC-2
  • 地形
橋立鍾乳洞
所在地 秩父市 上影森

橋立鍾乳洞は、武甲山の石灰岩体の西の端に位置し、南向きの高さ約40m の大岩壁の下にある県内唯一の照明などが整備された縦穴型の観光洞です。鍾乳石や石筍、石柱、カーテン、フローストンなどの洞窟生成物は、上方の出口付近に比較的よく発達しています。県・天然記念物(昭和11年指定)。大岩壁の下には、縄文時代草創期から古墳時代の岩陰遺跡が発掘されています。市・史跡(昭和33年指定)。

段丘地形

  • 地形
段丘地形
所在地 秩父市

秩父の市街地が広がる地域は、荒川の流れに平行した急坂(段丘崖)とその間の平らなところ(段丘面)が何段も繰り返し、ちょうど、荒川の方を向いた雛段のような地形をしています。このような地形を「段丘」といい、川岸にみられるものを「河岸段丘」といいます。段丘面は、川の流れが川岸を攻撃して川原を広げたり、あるいは、谷が埋め立てられてつくられます。谷が刻みこまれると、段丘崖がつくられます。つまり、低い段丘面ほど新しいことになります。まわりの羊山(羊山丘陵)や尾田蒔丘陵(長尾根)もみてみましょう。頂部が平坦になっています。これらの丘陵も古い段丘です。段丘は、急峻な山地と平坦な低地との間のゆっくりと土地が持ち上がる(隆起する)ところにみられる地形です。

秩父盆地の地質

  • TC-3
  • 層位
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所在地 秩父市・小鹿野町・皆野町・横瀬町

秩父盆地では多くの化石が発見され、地層がつもった仕組みや、その当時の環境等が研究されています。この地層は、おおよそ1700 万年前から1400 万年前ころのものです。盆地の北部と西部に古い下位の地層が分布し、南や東ほど新しい上位の地層がみられます。

・環境の変化を示す4 層群
  彦久保層群‥海の侵入
  小鹿野町層群‥深海の海底扇状地
  秩父町層群‥暖流の流れこむ海
  横瀬町層群‥周囲の山地の上昇と断層の形成、海の消滅

羊山丘陵

  • TC-6
  • 地形
羊山丘陵
所在地 秩父市 野坂町羊山公園

羊山丘陵は、約13万年前に形成された河岸段丘で、河原だったころの段丘礫層が保存され、中位段丘の様式地となっています。厚さ数〜20mの羊山礫層と、それを覆う新期ロームから構成されます。最近では羊山丘陵南部に植栽された40万株を超える芝桜が、約16,500平方メートルにわたって咲き誇り、秩父の春の観光スポットとなっています。

和銅遺跡

  • MC-14
  • 鉱床
和銅遺跡
所在地 秩父市 黒谷(和銅山)

和銅沢の左岸にみられ、和銅採掘露天掘跡と伝えられています。露天掘跡といわれる溝状の地形は,地質学的には外秩父山地の岩石と秩父盆地の新第三系を境する出牛-黒谷断層の破砕帯です。銅鉱石を胚胎する含銅硫化鉄鉱層は,三波川変成岩の中に何カ所も確認されています。いっぽう、地元の聖神社には自然銅の塊が奉納されているので、段丘礫層中に自然銅が沈殿した可能性も考えられています。県・旧跡(昭和36年指定)。

 

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子ノ神の滝

  • TC-19
  • 地形
子ノ神の滝
所在地 秩父市 吉田下吉田

吉田川の支流、阿熊川の下流にかかり、秩父盆地にある滝としては規模も大きく、高さ・幅ともに約13mあります。滝頭はおよそ1500万年前(新生代新第三紀中新世)の海底に推積した凝灰質砂岩(子ノ神層)が露出し、この場所は海棲貝類化石などを多産することで古くから知られてます。町・名勝(平成14年指定)。

取方の露頭

  • GC-11
  • 推積
取方の露頭
所在地 秩父市 吉田取方

赤平川の曲流部の攻撃斜面にできた、幅800 m高さ50 mにおよぶ大露頭で、いろいろな地質現象が観察できます。おもに小鹿野町層群の吉田層最上部及び桜井層最下部の泥岩砂岩互層がみられます。

砂岩泥岩互層は、深海の海底扇状地につもった地層です。普段は泥砂が運ばれてこないような深海ですが、地震などの時に、浅い海から泥砂が運ばれてきて、まず砂が沈み、その後ゆっくりと細かな泥がたまってできた地層です。砂岩泥岩互層中には、厚さ15 mにわたるスランプ構造が2層準みられ、露頭のほぼ中央には、褶曲型巻きこみ状亜型がみられます。スランプ構造は、海底地すべりの跡です。

また、南側には、泥が砂の重さで変形した荷重痕がみられます。
露頭の北側には、ほぼ水平な段丘堆積物が、傾斜した砂岩泥岩互層をおおう典型的な傾斜不整合がみられます。段丘堆積物は、おもに泥からなり下部に礫を含みます。傾斜不整合とは、不整合面の上下の地層の傾斜が異なり、下位の地層がたまってから、地殻変動により傾いて隆起し、浸食された後に再び沈降して、上位の地層がつもったことが分かります。町・天然記念物(昭和55年指定)。

 

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親鼻の紅簾石片岩

  • GM-9
  • 岩石
親鼻の紅簾石片岩
所在地 皆野町 親鼻

荒川にかかる親鼻橋上流に見られる紅簾石片岩の露頭は、たいへん見事なもので、世界的にも珍しく貴重な存在といわれており、名勝・天然記念物『長瀞』の指定区域の上流側起点にある大岩です。この岩は、紅簾石、石英、絹雲母等の鉱物を含み,暗紫色から深紅色を呈しています。大岩の上には大小2個の甌穴(ポットホール)があって、かつてその面がの荒川の河床であったことを知ることができます。

前原の不整合

  • GM-8
  • 層位
前原の不整合
所在地 皆野町 大渕

秩父盆地には積算5000m にも及ぶ新第三系が分布し、周囲の基盤岩の秩父累帯の地層や三波川帯の変成岩類とは断層、または不整合の関係で接しています。「断層」とは地層が断ち切られてずれていること、「不整合」とは上下に重なる地層の年代が大きく異なり、長いあいだ陸上で浸食された上に、新しい地層がつもったことを示しています。

盆地北縁では主に不整合の関係で基盤岩と接しています。その関係を皆野町大淵でみることができ、「前原の不整合」といわれています。

基盤は、秩父累帯北帯に属する秩父層群は万場・上吉田ユニットの粘板岩で、不整合面の直下では破砕されています。年代は、ジュラ紀古世の後期〜新世の前期です。上位に重なる新第三系は牛首峠層の礫岩〜砂岩で、不整合面直上は厚さ約3 mの礫岩です。礫は砂岩、チャートや粘板岩で、特に最下部の礫は大きく、人頭大やそれ以上のものもみられます。最大のものは直径110cm のチャートの亜円礫です。上部になるにつれて礫の量が少なくなり、粗粒砂岩へと漸移します。礫岩砂岩や礫岩の基質はアルコース質(花こう岩質)の白色砂岩です。県・天然記念物(平成7年指定)。

 

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カルカロドン メガロドン

  • KC-7
  • 古生物
カルカロドン メガロドン
所在地 長瀞町(県立自然の博物館)

約1,800万年前から約150万年前(新生代新第三紀中新世半ばから更新世)にかけての、海が比較的暖かった時代に生息していた巨大なサメです。このサメの歯の化石は「天狗の爪石」とも言われ、秩父市黒谷の聖神社境内の和銅鉱物館にも保管されています。また、秩父市久那の巴川で5本の保存状態の良い歯の化石が発見されています。世界で最も完全に近いと考えられる1個体の歯のセット(合計73本)が1989年、埼玉県深谷市の荒川河床に露出する土塩層(約1,000万年前)から発見されています。また埼玉県立自然の博物館にはこのセットを用いた顎歯の復元と全長12mに達する生体の復元があります。県・天然記念物(平成15年指定)。

パレオパラドキシア

  • KC-4
  • 古生物
パレオパラドキシア
所在地 長瀞町(県立自然の博物館)

大野原標本は1975年に地元の高校生により荒川岸の崖で発見されました。新生代新第三紀中新世の秩父町層群奈倉層と呼ばれる約1500万年前の地層中に保存されていました。当時の秩父盆地は東方に開く入り江でした。「パレオパラドキシア」は、絶滅した哺乳類の束柱目に属します。歯の形はゾウの祖先にもジュゴンの仲間にも似ているので、「古い(パレオ)矛盾したもの(パラドキシア)」と名づけられました。この歯で海辺の海草や貝、ゴカイなどを食べていたのでしょう。また、目・鼻・耳が頭骨の上部につき、ワニやカエルのように水陸両用の生活をしていたと考えられます。1981年には小鹿野町般若の採石場から、重機の運転手により2体目全身骨格が発見されました。県・天然記念物(平成11年指定)。

岩畳

  • GN-5
  • 地形
岩畳
所在地 長瀞町 長瀞

地下20〜30kmの深部から隆起した結晶片岩はうすくパイ生地のように剥がれやすくなっています。文字どおり岩畳となって広がる長瀞の中心地で「地球の窓」とも言われています。荒川は、この岩畳一帯で青く淀んだ瀞となり美しさを増しています。付近一帯の景観は舟下りの観光客の目を楽しませています。また、増水の影響を受ける岩畳の割れ目には、全国的にも大変珍しいユキヤナギの群生がみられます。

宮沢賢治の歌碑

  • 未分類
宮沢賢治の歌碑
所在地 長瀞町 長瀞

川原ヘの下り口には、1916年に盛岡高等農林学校の実習でこの地を訪れた宮沢賢治の歌碑『つくづくと「粋なもやうの博多帯」荒川ぎしの片岩のいろ』があります。

虎岩

  • GN-6
  • 地形
虎岩
所在地 長瀞町 長瀞

「虎岩」の由来を記した説明・案内板があります。「虎岩」は茶褐色のスティルプノメレンと白色の長石とが折り重なって折りたたまれたような褶曲を見せることから、この名がつけられました。この岩石はスティルプノメレン片岩という鉄やアルミニウムに富んだ岩石です。付近一帯の川原には大きな石ころがドミノのように、下流に倒れて重なり合うようすが見られ、この現象を「インブリケーション」と呼んでいます。

秩父赤壁

  • GN-5
  • 地形
秩父赤壁
所在地 長瀞町 井戸

岩畳の対岸には、「秩父赤壁」の名で親しまれている高さ50m以上の断崖が川沿いに数100mにわたって続いています。夕陽を浴びて赤く染まる「赤壁」は、中国湖北省の揚子江沿いの『三国志』に登場する古戦場として名高い「長江赤壁」に由来しています。この断崖は、地下深部から地上に隆起してきたときの大きなひび割れで、岩畳にもこれに平行する多くの割れ目があります。

長瀞

  • TN-1
  • 地形
長瀞
所在地 長瀞町〜皆野町

秩父地域は「日本地質学発祥の地」として広く知られています。長瀞には「岩畳」や「秩父赤壁」など、興味深い地形が至る所に点在しています。岩畳ふきんでは、地下の高圧下で形成された石墨片岩や緑泥石片岩をはじめ、さまざまな結晶片岩がみられることから、長瀞を「地球の窓」と呼ぶ人もいます。日本の地質学研究史には、小藤文次郎博士の紅簾石片岩(こうれんせきへんがん)の発見(1888)をはじめ、長瀞をフィールドとした数々の地質学的研究があり、地質学を専攻する学生や観光客など、毎年多くの人々が訪れています。国・名勝及び天然記念物(大正13年指定)。

甌穴

  • 地形
甌穴
所在地 長瀞町

甌穴はポットホールと呼ばれるもので、岩がまだ河床だった頃、渦を巻く急流によって石が回転し、長い年月をかけて岩がすり減って円筒状の穴になったものです。その中で、もっとも大きいといわれるものがこの甌穴で、直径1.8メートル、深さ4.7メートルの大きさです。

 

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ようばけ

  • KO-4
  • 層位
ようばけ
所在地 小鹿野町 長留

赤平川の右岸に見事な地層の断面を見せる大きな崖のことを「ようばけ」と呼んでいます。ハケは、崖のことで、陽(日光)のあたる様子から名付けられたと伝えられています。カニや貝など多くの化石が見られる事で有名です。赤平川右岸の攻撃面につくられた高さ約100m、幅約400mにわたる新第三紀層の大露頭で、周囲の自然と調和し、見事な景観をつくっています。

小鹿野町法性寺のお船岩

  • TO-1
  • 地形
小鹿野町法性寺のお船岩
所在地 小鹿野町 般若

「お船岩」は、秩父町層群奈倉層の砂岩が浸食され、北北東に突出した断崖です。懸崖(けんがい)造りの観音堂も砂岩の上にあります。子育て地蔵の後にあるクモの巣状の岩や奥の院に行く途中の「竜虎岩」など、風食による地形が所々にみられます。この砂岩は、秩父に黒潮が流れこんでいた時につもったもので、多くの海生生物の化石を含みます。